グッドバイ ~嘘からはじまる人生喜劇~ (2019)

文字数 527文字

【食われっぷりもいいね、大泉さん】 2020/2/26



「人生喜劇」と銘打った大泉洋主演作品を成島監督が撮るという、
久々の大泉スプラスティックが手堅い成島フィルムに収まるものか?
事前から興味が尽きなかった。

コメディストーリーそのものは類型的、
エピローグもありきたり、エンディングもあっさりしている。

いきおい、俳優さんたちのコミカル演技に本シネマは寄りかからずを得なくなった。
大泉さん演じる文藝誌編集長にはコミカル要素よりも人情面での奥行きを感じてしまい、
近年の役者修行活躍の成果が滲み出てきている、これは逆に喜劇の真ん中から外れがちになっていた。

そうなると共演者のフォローアップが肝要になるというものだ。
松重豊さんが相変らずの熱演でコメディラインをキープしてくれ、
濱田岳さんは敢えて無骨な笑いを誘う気配りだった。
そして、ダブル主演に近い小池栄子さん、
今まで見たことの無い役作りを見せてくれる。
スッピンと厚化粧のギャップ、声質調整のわざとらしさ、見事な大食いっぷり、それらをすべて包み込む生活力、おおらかさ。

観終わった僕には小池栄子さんの強烈な残像が揺らめいていた。
そんな小池さんの受け手としてベーシックなお笑いに徹した大泉さん、
彼の食われっぷりに感心した。
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