いぬやしき (2018)

文字数 549文字

【《家族》 恨みか愛か】 2018/4/21



木梨さんがドンピシャの年齢設定でリアルなオジサン像を再現してくれた、
激賞させてください。
番宣で謳われているジジイのヒーロー…この表現は高齢化社会では不適切でしょう。
残念ながらジジイ(本来の高齢者)では本シネマのようなアクションは成立しないのですから。
ライバルとなる悪役高校生とその親世代の戦いは、
本作にもある親子の愛憎をメタファーしていて簡潔でした。
子どもたちは親を越えて成長していくものですから。

しかし、
そんな落ち着いた分析を垂れ乍ら観るシネマではありません。
どうせやるなら大量殺略、爆破、血ドバの映像が途切れません。
もちろん現実味など欠片もないのですが、妙に納得する暴力シーンでした。
それは、ネットに隠れた言葉暴力に対するうっぷん晴らしであったり、
警察権力へのささやかな抵抗だったリ、庶民の共感をベースにしているからでした。

生身の高速飛行シークエンスの迫力は一見の価値大でした。
あんなシーンはスーパーマンでしかあり得ないと思った自分を恥じています。
ワイシャツ姿のオジサンが新宿上空で銃撃戦をする・・・・これは見ものです。

オジサン vs 高校生の一騎打ち。
その勝敗を決したのは、家族への想いでした。
恨みなのか、愛情なのか、どちらが強いのかは明白でした。
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