パーフェクト・ストレンジャー (2007)

文字数 653文字

【お疲レーライス】 2008/2/28



無を推敲しても紡ぐ言葉に至りはしない、まさに本シネマのように。
謎解きカタルシスを事前から標榜するシネマのひとつ、
その無神経と品の悪さに僕はあきれてしまう。
サスペンスの醍醐味である予断のないカタルシスは、ここでは空虚に代替されていた。

空虚その一:
お粗末過ぎるプロット。他愛のない冤罪工作、手垢にまみれたトラウマ衝動を、これほどまでに意図して歪める不平等な演出。目指したのは完全犯罪破綻パターンだったのか?
それにしては、
今思いつく類似カテゴリーシネマ《太陽がいっぱい》、《ユージュアルサスペクツ》には比べようもない。そこに明らかなのは「ユーザー(観客)満足度意識の欠如」
そこに見えるのは製作者の理論あるいは勝手な都合。
聞こえてくるのは「さぁどうだ、驚いたろう・・・」の不遜。

空虚その二:
贅沢な人材と裏腹なミスキャスティング。
ジョバンニ・リビシ、彼のエキセントリックな雰囲気をそのまま取り込む工夫の無さ?
ブルース・ウィルス、彼が女にだらしない婿に見えるか?
肝心のハル・ベリー、ブラックマーケット用のブラックヒロインをいつまで続けるのか?
史上初の黒人アカデミー主演女優の責務はきっと大きいのだろう。
ハルにはそんな政治的流れに乗ってほしくない。

僕が勝手にハルに期待するのは「イランと北朝鮮とアメリカ」をテーマとした稀に見る大失態ブッシュ政権内幕シネマだ。当然ハルはライス国務長官役。

そこで今シネマは・・というと、
お疲レーライス国務長官、ハル次官補もよろしく・・ヒルだったっけ??
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