NOPE/ノープ (2022)

文字数 752文字

【キモサベ 黒人】 2022/9/2


「ゲットアウト(2017)」で感じた強迫心理圧に痛く心動かされ、 ジョーダン・ピール作品を追いかけているが今作で3作目、ゲットアウトで 主演したダニエル・カルーヤも戻ってきたとあっては見逃すわけにはいかなかった。

ジョ-ダン・ピールフィルムは監督・脚本がベースらしいが、今作を含めて僕が観た三本はそれぞれに恐怖の質の異なる取り扱いをしている。
リアリティ満載の今ここにある恐怖、ファンタジーのようなトリッキーな恐怖、そして今作では真っ向勝負の物理的恐怖がテーマになっている。
ハリウッド郊外の牧場主である主人公が上空に居座る謎の存在を察知し、スクープ映像を狙うところから一大決戦にいてるまでの物語。

果たしてこの怪物との戦いが恐怖なのかが、まずもって問題になる。
あくまでも僕が観た過去のシネマに限られるが、このような正体不明生物(物体)との戦いは、特殊な条件と環境で描かれていた。 別の言い方では、圧倒的どう猛さや知能に人間が敵わない中、最後は人間のガッツで相手を倒すという、かなりご都合主義解決方法だった。

さて手垢に塗れた「いつか見たような恐怖」を今作はどのように処理するのか?
何のことはない、お定まりのちょっとした思い付きとガッツで終結してしまうが、だからと言って本作の意義を否定するものではなかった。

なによりも重要なのは黒人兄妹が恐怖に立ち向かう、白人の相棒でもなく白人の指図を受けることもなかった。
「ゲットアウト」同様ここでも白人は役立たずだった。
警察もFBIも特殊部隊も救援に来ないなか、二人のヒーロー・ヒロインの活躍が際立っていた。
物語には関係のない「初のムーヴィー役者は黒人だった」というシーンが2回もあること。
ジョーダン・ピール監督のほくそ笑む姿が目に浮かぶ。
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