ハウス・ジャック・ビルト (2018) 

文字数 553文字

【インテリジェンス・ハラスメント? 】 2019/6/14



18禁指定のその訳は、果てしなく続く殺害シーン、それも懇切丁寧で執拗。
用意してきたランチを食べるチャンスを無くしそうだったので、
エイヤッ と食べ始めたら、大量殺戮シーンにぶち当たって吐きそうになった。

そんなサイコ・シリアル・キラーをマット・ディロンが好演する。
マット お得意のすごみのある雰囲気が本シネマには見事マッチしている。
「悪」というか「異質」を演じると、マットは独特の光を放つようだ。

ラース・フォン・トリアー作品は、今回が初めて。
どうやらご自分のインテリジェンスに自信満々のようで、
「俺のことわからなくてもいいんだよっ」のメッセージが見え隠れする。
それ自体は気にならないのだが、古典の名作(小説、絵画、音楽)に対する尊厳が薄っぺらい。

僕には 「神曲 地獄変」のモチーフくらいしか思いつかなかったが、
アンチジェンダーのサイコパスに一大戀愛叙事詩の道を歩ませるエンディングは
アイロニーを通り越していた。

とは言いながらではある、
ばかばかしいコミックシネマや、アイドル学園ドラマ、TVドラマ拡大シネマが
シネコンを席巻している悲惨な現状を歯がゆく思っているシネマファンには、
本作は一服の清涼剤になるかもしれない。

いや、清涼感はみじんもないのだけれど。
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