パターソン (2016)

文字数 644文字

【こんな夢を見そうな強迫観念】 2017/9/13



ジム・ジャームッシュ作品は「ブロークン・フラワー」、その一度だけ以来だ。
今を時めくアダム・ドライヴァーを主演にいとも気怠いシネマを見せてくれる。

主人公パターソンはパターソン市の路線バスドライヴァー、
毎日バスの車窓から街の人々を眺めて時を過ごす。
奥様は中東美人で才能豊か、上昇志向に溢れて毎日自分の成長をご主人に見せつける・・・
カップケーキで起業する、ギターを習ってカントリーウェスタンデヴューする
・・・と云う野望を隠さない。
毎日室内のインテリアを改修して彼女独自の世界を固めていく。
そして、夫にも同じ精神を要求する、
「詩人」になれ、有名な詩人に・・・・と。

そう、パターソンは詩を書く。
秘密のノートにいつも詩を書いている。
パターソンのまわりの世界は実に平穏だ、数少ない知り合いもまるで普通の人間、
トラブルも些細なことばかり。
パターソンは戦闘後遺症のようなもので、
自分の内側にこもって自分を守ってるようだ、そんな示唆があった。

もう一人の自分、もしかして本来の自分を探して詩を書き残しているのかな?
双子のカットが頻繁に出てくる、妻からも子供は双子がいいねと催促される、
もう一人のパターソンがいるのかもしれない?

そんな強迫観念の中で巡り合う日本人詩人。
失くした秘密ノートの代わりを彼から貰う、
もしかしてこの日本人 パターソンの夢のなかの双子の片割れかも。
目覚めで始まる毎日、
シネマもそれを7回繰り返す、

もしかしてパターソンはず~と眠っているのに。

ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み