ミュンヘン (2005)

文字数 475文字

【溜め息そっと、何度も】 2007/2/12



スピルバーグじきじきの監督作品は見逃さない方がいいでしょう。
彼の真髄は世界がその時点で最も興味を持つであろうテーマを先取りしてスクリーンに表現し、問題提起していく点にあります。それもきっちりとエンターテイメントベースで。

で今回は、テロ。
僕らの世代にとってミュンヘンオリンピックアラブゲリラ(当時テロと言う言葉はなかった!!)襲撃事件は記憶にありながら詳細が全く不明の、よその国の怖い話でしかなかった記憶があります。

スピルバーグはこのテーマをグリグリと抉り出していきます。憎しみでしか将来を描くことができないイスラエルとパレスチナ。このテーマはピースフルジャパン人には重過ぎて実感すらもてません。
帰る国がない人間の恐怖は何とか想像の範囲内ですが、今尚続いている非合法の暗殺応酬は到底僕には思い及ぶことすらできません。
スピルバーグがシネマのテーマに敢えて結論を出さず、観客に問い掛ける形にとどめたこと。
それがパレスチナ問題の救いのない絶望を示唆するものでないことを願うばかりです。

スクリーンに溜息すること数回。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み