ナイロビの蜂 (2005)

文字数 514文字

【ケニヤの子達、走れ、負けるな】 2006/12/28



レイチェル・ワイズとレイフ・ファインズが高貴な夫婦愛をパーフェクトに演じてくれた。
英国にはきっとこのような理想的博愛主義のブルジョア革命家がいるんだろうな・・・
それも女性の。
そして、この女性のためなら、代々の外交官血統が絶えてしまっても惜しくないって思う
優秀だけど生真面目なエリート官僚もいるかもしれないって思えるリアリティに溢れていた。

二人の力だけでは、結局は国家レベルの陰謀には立ち向かえないところも現実的だし、
その悪事もやがては露見し、正義の裁きを受けるとこも、
ご都合主義を超えて抵抗なく納得できる。

一方、ミステリーとしてのとしての楽しみも充分に取り揃えられていた。
ケニヤ、ナイロビを舞台にした企業犯罪を告発する夫婦。
夫婦にとって忘れられない思い出、そのカットバックの積み重ねの中で、
謎が解き明かされていく。
残された夫の苛立ちが、その悔しい息遣いまでが聞こえてくる。
観ていて、切なさにむせかえった。
純愛は、死をもって成し遂げられる。

それにしても、貧しさゆえ犯罪に加担する国家とは何か?
ケニヤの子供たちが日本で走る姿に、複雑な思いだ。
ケニヤの子達、もっと走れ、負けるな。
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