EO イーオー (2022)

文字数 538文字

【人間の傲慢を思い起こさせるEO】 2023/5/23


事前情報なし鑑賞はいつもの作法だ。
可愛らしいロバ物語りだと思っていたのはいささか能天気過ぎた、反省している。
本シネマは動物虐待に異議を唱える硬派シネマ、EOの映像はかわいいのだが。

いや、動物虐待なんてしていない、ペットを愛していると言いたいぼくだが、ビーフステーキを食べてるでしょ・・・と言われるとそのとおり。
気が付かないところで動物虐待に加担していたことに気づかせてくれるのが、可愛いEOだった。

シネマはEOの半生をドキュメンタリータッチで描いていく、むろん意図ある作り込みがその裏に仕込まれているのであるが。 サーカスでの楽しい生活から一転して流浪のロバとなってしまうEO、旅先で出会う人間たちが多種多様、いい人もいればとんでもないのもいる、人間として恥ずかしい限りである。

ロバは荷物を引くだけの動物としかみない人間を見限って昔サーカスで一緒だった女性を追って脱走するEO、純愛ロバである。
怪我を治す動物ドクターがいれば、事務的に動物を処分する人間もいる、難民との亀裂、頽廃した名家、人間が抱え込む罪の深さに今一つ動物虐待が加えられた。
人間の傲慢を思い起こさせてくれる、切ないほどに可愛いEO物語だった。
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