湯を沸かすほどの熱い愛 (2016)

文字数 541文字

【驚きの「死ぬまでにすることリスト」】 2016/10/31



小品ながら、本年一番の多涙シネマだった。
宮沢りえさん主演作を小品とは失礼なことだけど、
物語は末期癌の母親のラストスパートというステレオタイプ。
…と思ったら、仕掛けがいろいろ出てくること、出てくること。
一筋縄ではいかない小品だった。

宮沢さん演じる母親が癌とは戦わず「死ぬまでにやることリスト」を
実行していく姿に僕は感じ入ってしまう。
その実行力もそうだが、リストアップされた「やること」がひとつひとつ尋常ではなかった。
これが本シネマの見所の一つ。

だけど、この巧妙な脚本を超えてくるのが新旧女優の競演だ。
宮沢さんの娘を演じる杉咲花さんと母の心のやり取りは、本年一番の女優魂の発露だった。
お二人とも上手なことは十分承知していたが、
本シネマではあっさりと予想以上の境地になっている。
ともすれば、ずるいとも思われる親子関係の設定・展開は、
お二人の涙でとても素直に見させていただき、僕も涙にまみれた。

「死ぬまでにするリスト」の中で一番トップに位置したのが
「死にたくない、もっと生きたい」、泣けてくる。
実は、本作タイトルが最後で とても有効に生きてくる
・・・まずは観てのお楽しみだ。
熱い愛の色は何色ですか?

ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み