インベージョン (2007)

文字数 715文字

【リメイク4回目の自信が輝いている】 2008/3/17



今回4回目のリメイクとは尋常ではない。
しかし4回ものリメイクの裏側に僕は《しゃれ》を見て取る。
このストーリーを楽しんでこねくり回して遊んでいるのが窺えるのが、キャスティング。
1978年版(SFボディ・スナッチャー)でヒロインを演じたベロニカ・カートライトが
ニコールふんする精神医の患者として重要な役どころに収まっている。
もう一代さかのぼれば、1956年版の主役、監督が1978年版にも顔を見せている(ようだ)。

これこそ、アメリカ人が(すくなくとも映画人が)本作になにやら特別な想いを感じている証拠ではないか。
まずは、ジャク・フィニィの原作が国民的SFとして尊敬されているのだろう。
それに、アメリカ人って自分たちが世界一幸せだと思ってるものだから、乗っ取られる恐怖、その対抗策への強迫概念に蝕まれ、時代変遷の折々に、まだスナッチされていないことを確認しておきたいがためリメイクしているようだ。
難儀な国民ではないか?

今作では、とうとう未知の敵がウィルスになっているところから、
アメリカ人の生物化学テロに対する脅威が読み取れる
・・・なんて知ったかぶりはここでは意味ないだろう。

シネマがもたらす恐怖、悲劇はシネマの中で浄化されれば良いのである。
おまけにニコール・キッドマンの完璧ビューティをたっぷりと楽しめる仕掛けになっている。
今作のニコールは、ただただビューティフル、そしてちょっぴり強い。
変な理屈をこねずに、ありがたくこのおもてなしを受けないと勿体無い。
サスペンスSFとしても、また親子愛仕立てとしても高レベルであることは間違いない上にである。
リメイク4回目の自信が輝いている。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み