十二人の死にたい子どもたち (2018) 

文字数 632文字

【「子どもたち」を演じる難しさ】 2019/1/28



どうやら冲方さん原作とすれ違っていたようだ
…今思えばあの頃いろいろあったことを思い出す。
というわけで今作も事前情報なしで拝見できた。

12人の自殺志願の子供たちがとらわれる自殺サイトという時事ネタミステリー、
そこに現れる13人目の人間(殺人者?)
・・・と云った予告編に大いに興味をそそられたのも事実だけれど。

予告編のミスリードに関しては今回は不問にする、
騙された代わりにもっと高尚な気分に浸ることができたから。
シネマの熱いメッセージはすべての子供たちに届くはずだ。

問題はキャスティングだった、僕には。
12人の子供たちと銘打っているからには、未成年(18歳以下)のビジュアルを見たかった。
自殺願望の未成年12名をキャスティングするのは、至極大変なことだったに違いない。
どうしても実年齢に近い俳優さんたちを集めることができなかったようだ。
実年齢20歳以上の俳優さんたちがこの難問に立ち向かっていた。
そこは俳優の腕の見せ所・・・・というのは酷だった。
思春期の揺れる心を抱えている子供たちがスクリーンで息づいていなかった。
いっそのこと、「子供たち」の看板を外してもよかったのかも?

それでも、若い俳優さんたちがその役になりきろうとしていた。
その職人のような老成した姿が、余計に年齢のギャップを加速していた。
こうなれば、負のスパイラル。

だから、
「死にたいから殺さないで」
という宣伝コピーも全く気にならなかった、
という次第だ。

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