花戦さ (2016)

文字数 377文字

【萬斎さんの笑顔で幸せになれる】 2017/6/3



池坊家元の全面的バックアップに違いないシネマに登場する生け花の数々は「流石」の一言に尽きる。
それを圧倒するのが、野村萬斎さんの百面相だったし、その物言いだった、心のなかにしみ込んできた。お花と萬斎さんだけでも本シネマ観賞の価値は十分にあった。

《お花とお茶は武家の嗜み》 という織田信長の言葉が本シネマのサスペンスを貫いていた。
らしくない上品な太閤秀吉猿之助さんの傲慢を正す変幻自在の池坊専好萬斎の対立構図がサスペンスを盛り上げる。
花戦さを標榜するだけあって残虐なエピソードですら映像は至極抑え気味だった、一つの見識だろう。

しかし、池坊以外の人物描写が格段に薄っぺらい。
信長貴一、前田倉之助、石田栄作そして豊臣猿之助ですら日本史の挿絵のようだった。

それでも、繰り返しになるが、お花と萬斎さんで満腹になった。
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