十三人の刺客 (2010)

文字数 765文字

【画期的時代劇再構築】 2010/10/3



バラエティ大運動会を観た想いがした。
番宣に謳われる 「・・・現代風に再構築した時代劇エンターテイメント・・・」
を僕なりに翻訳するとこうなる。
時代劇全盛期と少年期が重なり合っていた年寄りの繰言かもしれない。

バラエティたるゆえんは一にも二にもキャスティングにおける無秩序とご都合主義だった。
興味深い俳優がそろっていた。
何せ、十三人の善玉がまずは必須だった。
そして、時代劇には定番の悪役がこれまた重要な要因になる。

役所、市村各氏は武家社会末期での【侍】の価値観を代表する
好印象の敵役(ライバル)同士を演じてくれた。

主役級以外になると、「時代劇としての再構築」とやらには残念ながら僕はついていけなくなった。
平、松本、松方各氏は劇画的な老侍を演じすぎた、
昔を懐かしむオールドファンにすら変だった。
悪の代表稲垣氏は実はバラエティ面を任されたのだろうと思うと同情の念を禁じえない。
上手な方だけに一種放し飼い状態だったのは彼の責任ではない。
いつもの存在感を発揮した「岸部・もう一本・一徳」氏も
今回はコメディ部門で孤軍奮闘討ち死にした。

そのほかの役者さんたち(山田、伊勢谷氏も一緒にします ごめんなさい)は
運動会要員だった。
オリジナル作品の記憶はその後再観していないので記憶に自信が無いものの、
印象としては壮絶、暗然だったとおもうが、本作は見事にプラクティカルなのだった。

200名以上の警護の侍が右往左往する、ばっさりと切られていく・・・スポーツのように。
刺客たちも数の原理でなぶり殺しされる・・・・スポーツのように。

生き残った侍嫌いの侍を迎える芸子のアップでエンディング。
その後文字で唐突に23年後の徳川幕府終焉が知らされる。
すこし勉強になったでしょう・・・・ってか?

バラエティだったし、大運動会だった。

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