白鯨との闘い (2015)

文字数 387文字

【海は誰のもの?】 2016/1/15



オリジナルタイトル「In the heart of the Sea」、母なる海の中で人類の愚行が暴かれる。

物語は、メルヴィルの「白鯨」取材の形で語り進められる。
オーソドックスな展開だが、盛り込められた素材の重さに僕は転覆しそうになる。
メインストリームは、白鯨との戦いと難破漂流の壮絶。
その枝枝として、
家族愛と家族の掟、男のプライドと友情そしてエネルギーと環境保護までが盛り込められていた。興味が尽きることはないのだが、すべてが中途半端にも感じられる。

街灯油のための殺戮を諭すかのような白鯨は神の化身。
捕鯨のため海洋戦略に乗り出したアメリカはとどまることができないでいる。
そのエネルギー戦略は、石油、ガス、原子力へと常に変化しているなか、
めぐりめぐって、反捕鯨の世論が醸成される。
きっと白鯨は嗤っていることだろう、人間のあまりの勝手さに。
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