ビブリア古書堂の事件手帖 (2018)

文字数 549文字

【お見事 空中分解】 2018/11/2



「空中分解」とは失礼な言葉だけど、期待が高かっただけにそんな言葉が思い浮かんだ。
原作は不勉強で知らない、まさかこの程度のミステリー度だとも思えない、原作刈込のミスなのか? 幾分説明不足の感があったのは、まさか原作販促のためでもなかろう。

期待値のポイントはキャスティングにあった、黒木華さん主演に東出昌大さんも絡んでくると思った。
東出メソッドを絶賛している僕としては、本作の助演貢献度も見てみたかった。
東出さんは前回オリンピック時の回想パートを担っていた、夏帆さんととも許されぬ恋の熱を醸し出そうとし、果たせなかった。
このシークエンスは現在のミステリーにつながる大事なキーなのだが、古書にこだわりすぎてフォーカスがぶれた。

その現在のキャスティングで、シネマの花の華さんをアシストするお二人の若者、花との格差を露呈した。
このアンバランスは空中分解の引き金だった。

繰り返し出てくる鎌倉シーン、なかでも長谷の切通しを強調したのがかえって冗長になった。
全般的に映像が精緻さに欠けていた、どうしてなのだろう?
音楽もサザンを使った価値が相乗化されなかった、どうしてなのだろう?

物語の安直さ、古書のこだわり、ミステリーの構成誤謬、演技未熟、怠惰な編集、
見事な空中分解だった。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み