たみおのしあわせ (2007)

文字数 674文字

【感動の家族愛・・・いやほんとに】 2009/2/16



あまりにも深い父性愛に恐れ入った。
それにしてもよくぞこれだけ多様な異様性格人物者を登場させてくれたものだ。
もっとも、世の中にはこんな人たちが満ちあふれているのも事実、
痛烈なクライマックスだけど、そう驚くこともないだろう。

たみお(オダギリ)はマザコン、
父(原田芳雄)は中年色気満載のモテ親父の男やもめ、
父の恋人(大竹しのぶ)はオープン型社内恋愛の無頓着オバサン、
叔父貴(小林薫)は天然記念物的ヒッピーのNY帰り、
婚約者(麻生久美子)は危ないレベルのファザーコン

この5種類の異様物質の化学反応が本シネマのエッセンスだ。
今はなき母、今は亡き妻という絆で縛られている たみお と父は、
婚約者の清楚な姿にそれぞれ母・妻の幻を追い求める。
ところがファザコンお嬢は たみお の父のほうがお気に入りらしい。
父も自らの妖しい魅力をうすうすは気づいている。
こんなお嬢を厳しく叱ることができないのもこの男の性(さが)、優柔不断で自分勝手。
父の昔の恋人(石田ゆり)は一瞬でこの危険な香りを見抜いたというのに。

方や、今の恋人(大竹)は振り子が振り切れるようにヒッピーの亡霊に惹かれていく。
いかに、インチキ臭い男がもてるか、男はいい加減なほうがいい・・・ってか?

さて、
たみおの華燭の典でもたらされた決断やいかに?
タイトルの「たみおのしあわせ」とは父の想いだったのか!
父息子の深い愛情を越えられるものは亡き母、妻しかいないってことか。

感動の家族愛物語だった。

老婆心:
オダギリの技の全てが見られます、細かな仕草をお見逃しなく。

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