サウスポー (2015)

文字数 411文字

【律儀すぎるのも興醒めです】 2016/6/3



酷い言い方をすれば、毒にも薬にもならないお約束シネマ。
しかしながら、今どきこんなにも律儀なシネマと対面することができたのも良い経験になった。

ボクシングシネマはこうあるべきという恥ずかしいくらいのフークア監督の律義さ。
俳優は限度なくフィジカル面で努力するというジェイクの律義さ。
ファイターは頭が悪くてすぐ切れるという律義さ。
そんなファイターにはよくできた妻がいるという律義さ。
もちろん、よくできた可愛くて利発な娘もいるという律義さ。
ボクシングヒーローは一度徹底的に落ちぶれるという律義さ。
どん底で、本物のトレーナーに出会うという律義さ。
このトレーナーも暗い過去に囚われているという律義さ。
ボクシングでは少年の命を守れないという欺瞞に揺れる律義さ。
そして、
ヒーローは必ずや復活するというシネマ王道の律義さ。

ここまで律儀続きだと、
せっかくのジェイクの壮絶な律儀が霞んでしまっていた。
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