マン・オブ・スティール (2013)

文字数 926文字

【二組の両親、そこにスーパーマンが誕生した】 2013/9/1



リブートだか何だかよく知らないが、またスーパーマンかい?
昨今のSFX驚愕の進歩を手にしたら
スーパーアクションシーンにもう一度挑戦したくなるのも理解できないこともないけどね。
しかし、肝心のアクションは相撲のぶつかり稽古ばかりが
目立ってしまった嫌いが残ったのは皮肉なものだったな。
これだけアメコミ由来のシネマアクションが進化させられると、
オリジナリティを維持するのも大変だろうなと同情すら覚えた。

本リブートシネマの見所は、そういうわけで俳優たちの演技だった。
大物もフレッシュも含めて名優たちごっそりまとめて堪能できた。
(畏れ多くも)マーロン・ブランドを継承したラッセル・クロウは
「グラディエイター」を思い出させるアクションの数々も見せてくれた。
本作がこだわったスーパーマン原点パートを堅実にこなしていたようだった。
もう一人のスーパーマンの父ジョナサン・クラークを演じたケヴィン・コスナーは
聡明な農夫をこれまた見事に再現していた。
クラーク・ケントがいかに地球人そのものであったかは、この「父親」の影響が大きかったか。
ケヴィン・コスナーのきめ細やかな演技を久々に目の当たりにしてしまった。
父が命を懸けて息子の未来を守った感動のシーン、
無言の頷きはコミックの領域を超越していた。

当然、スーパーマン母もダブルキャスト。
地球の母として無償の愛情を注ぐのがダイアン・レイン、
あの「リトルロマンス」のヒロインの完熟の汚れ役に、
これまた感動してしまう。

実はこの二組の両親たちがシネマ全編にわたってフラッシュバックされ、
また黄泉帰ってきては、
シネマがスーパーアクションに流れてしまうリスクをカバーしていた。
ロイス・レインには大物エイミー・アダムスがキャストされた、
この女優さんは何を演じてもうまい。
スーパーマン誕生からロイスが大胆に絡んでくる展開も興味深い、
今後安心していられそうだ。
肝心のクラーク・ケントを演じたヘンリー・カヴィル、
キャリアをスタートさせたところといってもいい、これからを楽しみにしよう。

さて、リブート2作目はどうなるのか。
勝手な希望ではあるが、クラーク・ケントのシリアスな物語を覗いてみたい。

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