岸辺の旅 (2015)

文字数 493文字

【宗教心なきコメディア】 2015/10/1



シネマの番宣に曰く:
カンヌ映画祭「ある視点部門監督賞」を受賞した、究極のラブストーリー・・・。
究極の意味も事前に開示されています
(死んだ夫が妻に遭うためこの世に還ってきた、その時妻はどうしますか?)。

たとえシネマの中でも、そんな究極の愛の片りんに触れるひと時がもてるなら
幸せかもしれないと期待していました。
でも物語はそんな予想を覆すように、「死」の世界から蘇えった人たちで溢れていました。
現世や愛する人に責任を感じ過ぎたり、謝罪がしたかったり、心配だったり、引き寄せられたりして戻ってきた人たちです。
想いが強い人、または声が大きい人はどの領界でも目立つものなのでしょう。

死んだ夫と旅をする妻は、そんな人間の業に触れる中で、自分自身をとり戻すようになります。
それも冥界からのサポートがあればこそ、それも冥界からいとも簡単にこの世に舞い戻れるからです。

地獄、煉獄を経て天国に到達できる「神曲(コメディア)」の世界とは大きな違いです。
宗教心のみならず、条理や道徳心すら捨て去って、
想いだけで「死後の世界」すら遊泳してしまう我々にハッピーエンドあれ!

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