バトル・オブ・ザ・セクシーズ (2017)

文字数 739文字

【IS TIME CHANGING ?】 2018/7/7



タイトルは 1973年 ヒュ-ストン アストロドームで興行された、「キング夫人 対 ボビー・リッグス」のテニスマッチのこと。
ずばり 、男と女どちらが強いのかという、いかにもアメリカらしいイベント。
この時、キング夫人29歳、ボビー55歳、どちらもテニス界の大立者とは云え現役選手が圧倒的に強かった。
シネマは、しかしながら、この試合がメインテーマではない。

いまから45年前の、男女の権利、自由の権利を争うキング夫人の戦いが僕には切なかった。
そう、キング夫人といえばレズビアンを宣告したチャンピオンという記号が僕には刻まれている。
シネマでは彼女の秘めたる想いと恥が身体にうごめくさまが、
エマ・ストーンによってよみがえっている。
ノーメイク、眼鏡、短髪という役作り、女優の性の深さを感じさせる。
というのも、キング夫人の反乱は男女の賞金同額要求からスタートしてるのだが、近年ハリウッドで沸き起こっている女優ギャラ同額運動を否が応でも彷彿させるからだ。
その割にはLGBTに関する主張は控えめ、1973年はそんな時代だったのだ。
それとも、アメリカンドリームはマネー優先だとでもいうのか?

LGBTに関しては女子テニス協会の専属ウェアーデザイナーがゲイ、
その彼がキング夫人にささやく・・・
「時代は変わるものよ、だから今は我慢してね」

果たして、TIME IS CHANGING したのだろうか?
LGBT以前の人種、宗教、国籍による差別に立ち戻ろうとするアメリカ社会。
本シネマはそんな時代への強烈なプロテスタントを示していた。

老婆心:
ボビー・リッグスを演じたスティーヴ・カレル、
ギャンブル依存症の元チャンピオンがこちらもよみがえっていた、名演。
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