ブラック・クランズマン (2018)

文字数 582文字

【ハリウッドの逆襲( (2)人種差別 ) 】 2019/3/28



久しぶりの スパイク・リー。
彼の原点ともいうべき ブラックパワーが全開の痛快シネマだった。

シネマの見どころは、なんといっても黒人刑事がKKKに潜入捜査するという破天荒だろう。
実際は仲間の白人刑事がKKKに入団、黒人警官は電話でKKKに取り入り信頼を得る
・・・というコンビネーションだ。
主人公の黒人警官は、実はこの町の警察署で初めての黒人
・・・・そう本作は40年前の物語、
黒人差別と抵抗運動がぶつかり合っていた。

主人公を演じるのはデンゼル・ワシントンの息子、ジョン・デイビッド、 
僕には初お目見えだった。
スーパースターの七光ではなく、きらり光るものがあった、次回作がお楽しみだ。
共演するのが アダム・ドライヴァー、
彼もKKKが忌み嫌うユダヤ人刑事を演じる、相変わらずの好演だった。

シネマのベースは どちらかというとコミカル、
しかし、近年の「白人至上主義」を背景にしたトランプ政権への辛辣な批判は
さすがスパイク・リーならではのものだ。
KKKは象徴的に面白おかしく扱われているが、
本丸は根強い根拠のない白人優位説にすがるWASP。

エンターテイメントビジネスでありながら、
アメリカの精神を微妙に調節し続けるハリウッド。
人種、性、そして宗教の差別に立ち向かう伝統のハリウッドリベラレ潮流、
頼もしい限りである。
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