万引き家族 (2018) 

文字数 426文字

【誰も知らないよりもまだ深く】 2018/6/8



祥太(城桧吏さん)に明(柳楽優弥さん)が重なった、デジャブ!
是枝シネマには美少年がよく似合う、薄幸の美少年だけど。

そして14年前の「誰も知らない」よりももっともっと深い遣る瀬無さを覚える。
いまになっても日本は何も変わっていないことを恐るおそる認める。

本作では、TVワイドショーを喜ばせる類の事件の犠牲者が
寄り添う姿を陽のもとにさらけ出す。
児童虐待、誘拐行方不明、痴情殺人、孤独老人死、そしてそれにかぶさる貧困。
貧困家族に追い打ちをかける経済不況、労働条件悪化。
日本社会の底辺に巣食う「万引き家族」ファミリーは決して大仰なメタファーではなかった。

もしかして、家族本来の愛情を忘れてはしまってはいないか?
もし厳しい生活を強いられたとき、家族ならどうする?

14年の年月は日本人をどう変えていったのか?
是枝シネマの真髄が零れて見えた。

老婆心:
城桧吏さん以外、サクラさん、希林さんの渾身演技を楽しませてもらった。
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