バンコック・デンジャラス (2008)

文字数 628文字

【「カルチャーショック殺し屋」】 2009/9/4




ニコラスの黒髪、それもロングヘアーが奇妙だった。
たとえ似合わなくても「役作り命」の役者魂のなせるわざだったのか?
でも、黒長髪の必然性はなかったと思うんだけどね。
オリエンタルバンコックをイメージさせたかったとは思えないし、
目立たないのが伝説の殺し屋だとすれば、このほうが目立ってるし、
繰り返しで執濃いようだが、まずもってニコラスにフィットしていない。

本シネマには終始このような微妙な「ずれ」がどこか付きまとっていて陶酔の妨げになる。
バンコックをベースにし、ご当地プロモーションの意図すら見え隠れするのもご愛嬌だが、
今時「西洋が東洋に触発される」図式は古臭くていただけない。
欧米合理主義犯罪者がバンコックの若者に心を開き、純朴な女性に心を奪われる、
しかし、
その背景と要因はあやふやとしか感じられない。
これこそ「東洋の神秘」だといいたいのなら、時代遅れのナンセンスだ。

そんな苛立ちを逆なでするかのように、ニコラスは上機嫌で「カルチャーショック殺し屋」を楽しんでいた。西洋のインテリ連中(自認も含め)は、この仏教的死生観にからっきし弱い
・・だらしないくらい無防備になる。
自死というだけで神秘的に感じてしまうくらいの、低次元哲学レベルなのだろう。

東洋思想の長髪黒髪殺し屋になにを期待するというのか?
独り善がりシネマは観ていて、とてつもなく長く感じられた。

老婆心:
こだわるけど、ヘアーメイクはシネマにとって重要だよね。
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