ホテルローヤル (2020)

文字数 600文字

【強烈なエピソードが繋がらない】 2010/11/19



ラブホテル「ローヤル」で繰り広げられるエピソード集、
映像にするのは簡単なようで難しかった。

勝手な想像では、
そこには興味深いエピソードが山ほどあるように思えるが、
よ~く考えてみると、息づくベースは変わらない、
男女のつかの間の愛であり享楽。
ラブホテルに来る人達は皆それぞれの人生を背負い、
生き抜き、負けていく、これも人生の縮図のようなもの。

おそらくは、そんな原作だったに違いない。
映像にするとそこに込められた想いが薄っぺらくなることがある。
本シネマの目指すところは主人公の両親の若き日の情熱であり、
そのことに気づいて主人公が新しい人生に歩み出すという再生の物語だったと忖度するが、
顧客がそのメッセージを知らされるのはラスト・シークエンスになってからだった。
できれば、この重要なメッセージを出し惜しみしないで
もっと頻繁に顧客にちらつかせてほしかった。
この回想シーンは、結局 ご当地「釧路」の紹介にすり替わってしまった。

不勉強の僕は、鑑賞後 原作が短編集であることを知る、
なるほど、短編のインパクトが強ければ強いほどにそれをつなぐのは難しい。
侵入者・従業員・納品業者・利用客・主人公の心・若き日の両親・・・
とつながっていく流れが最後までぎこちなかった。

ほとんどがセット撮影、これも新型コロナの影響なのかな?
なかなかシネマ鑑賞が本格化しないことが歯がゆい。
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