メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬 (2005)

文字数 544文字

【人生も掘り返しだ】 2007/2/8



今やTVCMの缶コーヒーBOSSで有名になったトミー・リー・ジョーンズが初監督・主演したシネマ。
いきなりカンヌ映画祭で男優賞獲得した前評判の高いシネマだ。
ずばりヨーロッパ人には受けのいい作品仕上がりになっていると思う。
感性豊かな主人公の予想できない生き方や人生のつらい皮肉がこれでもかというぐらい詰め込まれている・・この類はラテン系の人は好きだね。

物語は親友の不法移民メキシコ人との約束を守るため、彼の遺体を故郷メキシコの田舎町に運ぶという・・昔の《ガルシアの首》の非暴力バージョンのような、いずれにしても奇妙な男の友情を描いている。
親友を殺してしまった国境警備隊員(バリー・ペッパー)がこの旅に強制的に付き合わされる、贖罪の意味なのか?
意図しての男二人のロード・シネマ的側面もあり確かにメキシコのカントリー風景は哀しみと懐かしさにあふれ、美しい。
これはシネマならではのうれしい特典だ。

ついでに言ってしまえばこのメキシコ人がメルキアデス・エストラーダという名前で、題名の通り3回埋められる。つまり2回掘り出される。確かに気味の良い内容ではないけど、ふと、人生は掘り返して埋葬することの繰り返しなのかと、感じたりもした。

やはりおかしな味のするシネマだ。
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