キングコング:髑髏島の巨神 (2017)

文字数 664文字

【伝統芸術 コングの愛】 2017/3/28



近頃の傾向であるハリウッド中華味にもだんだん慣れてきた中で、この伝統的シネマも中華テイストでリメイクされる…時代は移り変わる。

とはいえ、冒頭の日米対決には隙を突かれてしまう。
このプロローグは、クライマックスで再び登場し日米の友情を確認する展開になっている。
そう考えると、伝統的アメリカンテイストの「キング・コング」に日本、中国が味付けされたグローバルシネマになっているのだろう。

今作の時代は1973年、ベトナム戦争の敗北の混乱の中、かの有名な地獄のヘリコプター部隊が登場してくる、一つのアメリカ文化の頂点だったころ。
コッポラの「地獄の黙示録」で異彩を放った狂気のキルゴア中佐の蘇りのようなパッカード大佐が登場し、コングを追い詰める、まるでベトコンへの復讐のように。

太平洋戦争、ベトナム戦争、ソ連との冷戦・・・
物語は飽くことのない戦争本能に駆られる人間と髑髏島の平和を守る守護神コングとの戦いに終結する。付録のエンターテイメントとして凶暴種だけ集めたジュラシックパーク、文明から取り残された未開族の生態を愉しむこともできる盛りだくさんだ。

肝心のコングが愛するヒロインは今作は反戦カメラマン(ブリー・ラーソン好演)、コングとの霊の交流シーンはクラシカルに手堅く押さえられて安心する。

かように、本シネマは物語構成が優秀であり、一方では残虐シーンも多数ありというアクションシネマとしては高い完成度になっていた。

エンディングロールの後、次回作の予告がある、
さて、コングの出番はもう終了なのかな?
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