レザボア・ドッグス (1991)

文字数 534文字

【キューブリックとタランティーノ】 2008/8/24



僕の好みではない監督でも処女作はちょっと気になるものだ。
製作から17年目にして拝見した。

異色タランティーノの面目躍如の構成、
暴力シーンも当時としては過激だったに違いない。
タイトルが愉快だ・・・「貯水池の犬たち」の意味するところは、
世に悪人の種は尽きないとでも言いたいのだろうか?
潜入警官を意味する「犬(ドッグ)」をも揶揄するのなら、
すべてこの世は犬ばかり・・・
タランティーノの拠りどころが見えてくる。

またもや、ふと覚える既視感。
趣は異なるが鬼才キューブリック監督ハリウッド処女作
「現金に体を張れ」が思い出された。
そういえば、こちらの原題も過激な「THE KILLING」、
内容もプロの犯罪者たちの崩壊がテーマだった。
低予算がスクリーンから透けて見えるところも、
それをカバーするクリエーターの熱い意気込みも、両者に共通するところ。
二人の才能が創出した映像の数々は、その後のシネマのお手本にもなっている。
いっぽうでは、
バイオレンス描写のギャップがその後の二人の軌跡を示していて感慨深い。

あくまでも人間を暴力で美化しようとするタランティーノ、
彼の原点としてはもちろん、1990年代シネマ歴史を振り返るうえで貴重な作品だ。

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