プリデスティネーション (2014)

文字数 590文字

【救済されるために尽くすわけではない】 2015/3/3



真正面から人間の生き方を追求したハードで高尚なSFシネマだった。
タイトルは運命、いや予定説と理解した方が納得できそうだ。
ちなみに、原作の日本語タイトル「輪廻の蛇」はプロテスタントの原点を東洋的解釈したものとして妙を得たものだろう。
この原作を映像化するのは無理だろうといわれていたというのもよくわかる、本作の実現は製作人の知恵の結集だったに違いない。

タイムトラベルSFにはつきもののタイムパラドックス、よくあるお約束事は本ストーリーにはまるでない。
何でもありの、タイムトラベルエージェントが本作の主人公(イーサン・ホーク好演)。
彼と謎の人物(セーラ・スヌーク:オーストラリアの役者)との会話、フラッシュバック映像でストーリーが綴られていく。
エージェントには一生をかけた使命がある、それはテロリスト爆弾魔を阻止すること。

シネマ冒頭の爆発シーンから、最後のカタルシスまで全く息の抜けない展開だ。
人は救済されるかどうかわからないままに生きていくしかないとすれば、信じる正義を全うするしかない。
たとえその結果、蛇が自分の尾を飲みこむことになるとしてもだ。

劇中、ジャンプ(タイムトラベル)し過ぎると、認知症になりやすいと注意されても、ジャンプし続ける主人公を見習いたい。
無論僕はジャンプなどできず、年を重ねることで認知症になるだけだが。
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