アンビュランス (2022)

文字数 838文字

【マイケルもジェイクも、お久しぶり】 2022/3/26



僕の好きなマイケル・ベイ監督とは、クライムアクション。
僕の好きなジェイク・ギレンホールとは異常性格演技。
どっちも僕が勝手に作り出したイメージなので悪しからず。
「ザ・ロック」の個性豊かな悪人たちが忘れがたい、
「ナイト・クローラー」の悪辣レポーターが哀れだった、
いずれもマイケル監督作であり、ジェイク主演のシネマだった。

今作にそれを期待してはいけないのだろうとは思いながらも、本音では二人の新しい化学反応を期待して拝見した。

マイケル監督お得意の俯瞰からの雄大かつ優雅な空撮、全方位から攻める密なカメラからスタートする銀行強盗シーンから始まり、逃走する救急車を追跡するLA市警、ハイウェイパトロール、FBIの夥しい車両と空のヘリコプター部隊との大捕物エンディングに至る、すべてのシーンが全く弛みのない展開になっていた・・・これぞマイケル・ベイ・フィルムなり。
一枚看板のジェイク・ギレンホールは銀行強盗のボスだが、極めて優秀な知性と柔軟性で追跡する警察軍から逃れようとする。
彼に絡まってくるのが、少年時代からの友達であり弟(養子)の元海兵隊黒人と、彼らがハイジャックした救急車の女性救命士。

アクションサスペンスにセットになりがちな人間臭いストーリー、本シネマにも定番で用意されている。前述のとおり、スラム街育ちの人種の異なる兄弟との絆、途切れそうな命を搬送する任務に隠された救命士の過去がその類だ。
オマケのように、LA銀行強盗対策チームとFBIの同様なチームとの確執、LAマフィアのアシスト、弟の愛する家族・・・云々。
これほどまでの数多なエッセンスが2時間未満のシネマに収容されていた、きっちりと。
あまりにエピソードが多く、その扱いもコミカルだったのでちょっと油断していたところ、血の殺戮シーンのカタルシスが待っていた。
ウイルスパンデミックを吹き飛ばす爽快なアクションと、涙を誘う(であろう)人間愛、マイケル・ベイが戻ってきた。
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