1000の言葉よりも -報道写真家ジブ・コーレン (2006)

文字数 553文字

【スチルとムービーのコラボ】 2008/12/7




報道写真家と対比されるのがファッション写真家という定義が本シネマの中で使われている。
然もありなん、解りやすい。
特に本シネマ主人公コーレンのような戦場報道写真家は、その報道写真家の中でも特異な存在であることがよくわかった。
命を賭して伝えたい想いから抜けることができなくなった写真家がいた。
その点だけでも本ドキュメンタリーの価値は高い。

ところがシネマの印象はポップ、まるでファッションショーのステージから聞こえてくるかのようなリズミカルなお洒落なサウンドに満ちているのは皮肉な試みなのか?
コーレン自身の、あるいは彼の取材現場ドキュメンタリーというより、彼の見た映像そのものが素材として、悲壮感をまとうことなく臨場感いっぱいに構成されている。

この衝撃ともいえる新鮮な印象にはある仕掛けがあった。
彼のカメラと同調したムービーと瞬間取り込まれるスチル写真のコンビネーションが、
彼の息づかいと一緒に惨劇、悲劇、矛盾を効果的に抉り出す。
スチルとムービーの効果的コラボになっている。
とはいえ、
いかにファッショナブルな装いをまとっていてもコーレンが切り取る事実は重すぎた。
近年報道写真を見る機会が少ないことに気付き今大いにて反省している。

ニュースタイルのドキュメンタリー秀作。
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