ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書 (2017)

文字数 627文字

【ハリウッドの良心】 2018/3/30



ニクソン政権末期の「報道の自由闘争」において徹底して抗った
新聞をはじめとするジャーナリズム。
シネマは、そんな時代を懐かしい古き良き時代として描いていく。
ネットもメールもセルフォンすら持たない記者たちの奮闘、その職業意識に胸を打たれる。

先日も、リーアム・ニーソンがマーク・フェルトFBI副長官を演じたディープスロート・ストーリーが公開された。
半世紀も過去に起きた大統領陰謀への糾弾シネマが続いているのは、
現大統領への疑似プロテスタントに違いあるまい。
・・・・という予断があった。

もちろん ハリウッドは総力を挙げて表現の自由を守ろうとしている、
本作でのそのエッセンスを否定はしない。
だが、メリル・ストリープをスピルバーグが起用したのは
「女性の権利」の訴求に他ならなかった。
オリジナルタイトル「THE POST」、
メリルが演じたのはワシントンポスト紙の女性オーナー、キャサリン
・・・彼女の自立がもう一つの柱になっていた。

まだまだ男性優位のビジネス界において家族経営の歴史の流れで社主を務めるキャサリン、
そんな社主をはなから莫迦にして強引な紙面作りに突き進む編集主幹(トム・ハンクス)、
取締役たち、法律顧問も同様に彼女の存在すら認めないようにふるまう
・・・「やはり女性では無理だろう」。
男ども、言いたい放題言ってるけど・・・・・・

最後の決め台詞 「私の新聞社です」が小気味よかった。
これをいわせたいがための、メリルだった。

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