孤狼の血 (2017) 

文字数 441文字

【引き継がれる レジェンド 】  2018/5/12



日本推理作家協会賞受賞、
それも女流作家による「骨太警察小説」という第一印象の割には、
主人公コンビ(汚れた刑事と新米エリート警官)も
抗争する極道集団(博徒系と新興暴力団)も類型的だったことが気にはなったが、
広島弁が飛び交う状況は、仁義なき戦いの興奮を思い出させてくれた。

その映像化、
これこそシネマ化成功例に違いない。
原作が骨太だったところに、文字通り「血」と「肉」が付けられた。
役所広司さんの怪物演技に松坂桃李さんの受け身技が決まっていた。
極道シネマに欠かせない、悪キャラクターも贅沢、手抜きはなかった。

一歩間違えれば暴力称賛、それも警官の無法容認ともとられる内容だ。
しかし、組織というのがどれほど腐っているか、最近の官僚の所作を見ても想像できる。

孤狼が守り抜いたのは「堅気」、そのためには極道を駒として使う。
自分のための汚職でない・・・そんな日本的美学がうれしかった。

孤狼の血は間違いなく引き継がれていく。
シネマも、骨太だった。
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