セルフレス/覚醒した記憶 (2015)

文字数 550文字

【不老長寿・・・いかにもSFシネマ】 2016/9/2



ただいま絶好調のライアン・レイノルズがみせる涙のエンディング、もらい泣きしてしまった。

物語のテーマは、人間の体丸ごと移植・・・つまりは究極の臓器移植だ。
SFシネマらしい素材なんだな、これは。
ニューヨークの伝説の大富豪が末期癌で余命半年と宣言され、肉体すべての移植手術を受けた
そして、生まれ変わった肉体の持ち主本来の意識との葛藤がシネマの主題だ。
しかし、本シネマは社会派でもなければ、医学ミステリーでもない、ピュアなSFマインドシネマだった。
心と肉体を演じるふたりの俳優(ベン・キングスレー、ライアン・レイノルズ)に魅入られてしまう。
主人公の悪辣ともいえる敏腕ビジネスマンの頭脳と、戦闘訓練を受けた兵士の肉体とのせめぎ合いが観どころになっている。
しかしながら、見所はきっちりとフォーカスされている。
人は他人の肉体を借りてまで頭脳だけで生きていけるほどにタフなのか?
そこに借り切った肉体の家族との接点が生じた場合は、どうするのが人間らしさなのか?

SFが発生当初から問題視してきた「不老長寿」のパラドックスが本シネマにおいて提示していた。才有る人間が長生きすることは本当に人類のためになるのか?

まだまだ現時点では老害のリスクが多いように思えるのだけど。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み