バービー (2023)

文字数 860文字

【マーゴット・ロビーに外れなし】 2023/8/22


このところのマーゴット・ロビー出演シネマに外れはない。
「ザ・スーサイド・スクワット(2021)」、「アムステルダム(2022)」、「バビロン(2022)」、ぼくはと言えば「アイ・トーニャ(2017)」での衝撃的出逢い以来のディープファンであるから、掴みどころのないバービー実写作にも躊躇せず足を運んだのである、もっとも、お盆興行期間は吹き替え版優先だっため、上映スケジュールが折り合わず、しばし待機する羽目になったのはご愛敬。

では満を持してのマーゴット・バービーはどうだったか?
バービーたちともケンたちとも遊んだことのないぼく、ちょっと肩身の狭い環境・・・などと躊躇しないのは前述のマーゴット・ロビー愛だ。

まずは冒頭のキューブリックパロディシーンにぶっ飛んでしまった、そして本シネマの立ち位置を理解した気にもなった。
バービーが間違いなくこのシネマでは確固たる人格を持つに違いないと、かの類人猿のように。

とはいえ前半はバービーご愛用者へのサービスシーン、カットが多い(ように思う)、でも部外者にとってはある意味のブリーフィングになった。 そして、バービーワールドから人間世界へと、舞台が移るとともにコンセプチュアルな展開になる。

女の子に夢を与えてきたバービーたち、現実はもはや遺物となっている、いやジェンダーイシューにとっては足かせにすらなっている、そんな厳しい現実を突きつけられるバービー。
相変わらずの男社会のアメリカ、バービーたちはそんな現実を忘れさせてくれるだけの幻想だったのか?

このあたりの異次元を行き来するファンタジーはシネマでも何ら説明がないのだが、かえって現実感があるという不思議な展開になる。
バービー不在の間にケンのクーデター、再度の政権取返しは、なにやらアメリカ分断のアイロニーの匂いもあり、マーゴット・ロビー製作兼任の面目躍如だった。

人間世界に生きることにしたバービー、自分らしい生き方を見つけるのかな、続編もあれば愉しそうだけど。
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