恋愛適齢期 (2003)

文字数 775文字

【団塊世代に特奨します】  2007/5/6



情事の後、眠りは必ずひとり、
女性との添い寝をしないプレイボーイのハリー(ジャック・ニコルソン)が
エリカ(ダイアン・キートン)に「君と眠りたい」といってベッドに腰を下ろした瞬間、
静かに流れ出す「ラ・ヴィアン・ロウズ」、

エンディングクレジットロールに流れるジャック自らが歌う「ラ・ヴィアン・ロウズ」、
予測できない展開の末に訪れる老いぼれハリー人生の至福。
またまた、団塊世代たちを勇気付けてくれるシネマに巡り合えた。

ふたりを軸とする三角関係も異色、
各々が相対するエリカの娘(アマンダ・ピートがキュート)、
ERドクター(キアヌ・リーブス)、
との年の差20~40歳、今の常識でもかなりかけ離れている。
中心のふたりは団塊の世代、
こんなに僕らがもてるとも思えないが、
シネマのなかだけでも大いに勘違いハッピーを満喫できた。

僕はシネマには夢と美、そして出来れば感動を期待している。
そしてどうせ対面するなら美女、美男がいい。
その基準を今回は取っ払って幸せに浸りきれたのも、ジャックとダイアンのいぶし銀演技だ
(ダイアンは今でも美人、名誉のために付け加えると)。
ふたりの細かなしぐさ、せりふ、表情・・・
どれをとってもナチュラルで計算し尽くされていて、臨機応変の緊張感が漂う。
これだけでシネマを堪能できる。

本物の恋を知らない老プレイボーイ、
離婚ストレス症で心を閉ざしてしまう女流作家・・・・こんな人種は日常僕の周りにはいない。それであっても、彼らの不安、悩み、希望、そして恋の喜びは
手に取るように痛いように理解できる。

ジェネレーションの違いで、もしかして理解の差、断絶があるかと危惧するが、
もしそうだとしても団塊の世代にはお奨めまちがいなし。

いま、本シネマと出会ったのも幸運だったかも、
3年前なら僕も理解できなかったような気がする。
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