シェイプ・オブ・ウォーター (2017)

文字数 475文字

【血の覚醒、運命の愛】 2018/3/1



ギレルモ・デル・トロ 久しぶりの快挙、復活した血のファンタジー。
ヒロイン イライザは喋ることができないお掃除女、
軍の秘密研究所で囚われの身のアマゾン半魚人に逢い、恋をする。
・・・とここまでは、繰り返し流れた予告編で刷り込まれていた。

物語はここから大きく飛躍していく。
国家の大義、軍の機密に対抗して半魚人を救い出そうするイライザ、
同じく半魚人を機密保持と国家利益のためとはいえ、どうしても抹殺できない科学者。

ビックリしたのは、半世紀前のコスチュームで堂々と半魚人面する厚顔演出、
ウェットスーツとしても出来損ないの半魚人は、
しかしながら、本シネマテーマの見事なメタファーだった。
デル・トロ監督は多様性のイデアを凌駕する疑似人類にまで人類の本質を遡ってみせる。
突き詰めればアフリカに生きたホモサピエンスに戻る人類が、
半魚人ごときにその未来を賭ける暴挙が哀しかった。

イザベラが愛した半魚人は人類その人だった。
ラストシーンでイザベラの出自が分かる、
そんなことは解かって良いはずだったのに・・・・二人が同じ種であることは。
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