ディーパンの闘い (2015)
文字数 545文字
【明快な物語に込められたEUの苦悩】 2016/2/16
2015年カンヌ国際映画祭パルム・ドール賞作品。
「ツリー・オブ・ライフ(2011)」以来のグランプリ賞シネマの鑑賞だった。
主人公ディーパンはスリランカ内戦を経てフランスに身を寄せる難民、
そして心身ともに憔悴した元兵士だ。
カメラは、執拗にディーパンの真横から彼の鬱積した悲しみを映し出そうと詰め寄る。
彼は、麻薬売買の拠点となっている団地の管理人として黙々と働く。
この作品のポイントは、彼にはスリランカ脱出に際して偽の家族を伴ってきたことだった。
妻と娘は偽物、そして本当の妻と子たちはどうやら内戦で殺された様子だ。
当然、この家族の面々はお互いに上手くいかない。
三人がそれぞれに自分の勝手な希望を主張し始める。
・・・それが偽物の家族の証しのか?
シネマは逆説的に、家族は何かを問いかけてくる。
そして、麻薬ギャングたちの抗争に巻き込まれるディーパン一家。
本当の家族になるためにディーパンがとった行動とは・・・?
現在のEU の大きな懸念となってきた難民問題を、
イスラム教徒ではない異教徒を軸に腑分けしていく。
暴力の妖精こそが、家族をそして正義を守る手段なのか。
ジャック・オディアール監督の問いかけは、
タイムリーなるがゆえに重たくのしかかってくる。
2015年カンヌ国際映画祭パルム・ドール賞作品。
「ツリー・オブ・ライフ(2011)」以来のグランプリ賞シネマの鑑賞だった。
主人公ディーパンはスリランカ内戦を経てフランスに身を寄せる難民、
そして心身ともに憔悴した元兵士だ。
カメラは、執拗にディーパンの真横から彼の鬱積した悲しみを映し出そうと詰め寄る。
彼は、麻薬売買の拠点となっている団地の管理人として黙々と働く。
この作品のポイントは、彼にはスリランカ脱出に際して偽の家族を伴ってきたことだった。
妻と娘は偽物、そして本当の妻と子たちはどうやら内戦で殺された様子だ。
当然、この家族の面々はお互いに上手くいかない。
三人がそれぞれに自分の勝手な希望を主張し始める。
・・・それが偽物の家族の証しのか?
シネマは逆説的に、家族は何かを問いかけてくる。
そして、麻薬ギャングたちの抗争に巻き込まれるディーパン一家。
本当の家族になるためにディーパンがとった行動とは・・・?
現在のEU の大きな懸念となってきた難民問題を、
イスラム教徒ではない異教徒を軸に腑分けしていく。
暴力の妖精こそが、家族をそして正義を守る手段なのか。
ジャック・オディアール監督の問いかけは、
タイムリーなるがゆえに重たくのしかかってくる。