黄金のアデーレ 名画の帰還 (2015)

文字数 507文字

【マンハントから「ペインティングハント」へ】 2015/11/28



オーストリアで迫害を受けたユダヤ人女性の根性物語。
周りの若きユダヤ人を巻き込んで民族の誇りと、財産返還を成し遂げる感動の物語でもある。
実話であることがエンディングロールで明らかになる。
主人公は、100億円以上の財産を手にし、駆け出しの弁護士は
一躍美術品返還のプロフェッショナルになる達成感充溢のシネマだ。

戦後70年の今、まだまだナチの亡霊は世界を彷徨っている。
本作の見所は、オーストリア国家の面目、
オーストリア国民の面目をいかに突破するところにあった。
なにせ、この国はヒトラーを生み出した国でもある。
本シネマでも描かれたように、ユダヤ人迫害が厳しかったことは想像に難くない。
そのキーワードは謝罪と反省、歴史を正しく認めることだった。

個人の財産をとり返すことは当然の権利と考えるアメリカンウェイに、
ユダヤの怨念が加われば、このような快挙になる。
主人公のもとに戻される「叔母アデーレの肖像画」は、その輝ける象徴とされていた。
ナチ戦犯狩り、美術品返還が続く・・・まだ10万点が行方不明らしい。

ナチと対峙した勇気ある人たちの思い出がスクリーンに揺れていた。

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