ダーティ・グランパ (2016)

文字数 566文字

【年金三か月分の重み】 2017/1/7



「ミート・ザ・ペアレンツ」系列のデ・ニーロでしかできないコメディーだが、かなり下品な体裁だ。しかし、そのお下劣の裏には深い真相があって感動する…という仕組みになっている。

今回デ・ニーロはCIAではないものの、やはり特殊な前歴をもつスーパージジイをクールに演じる。このカッコよさと、前述の品性を欠く言動が本シネマ全編を貫いていて、抱腹絶倒となった。

デ・ニーロさん、ご高齢にもかかわらず今作はロード・ムーヴィー形式でで各地を回り、アクションもしっかり押さえてくれる。
そんなドタバタコメディのテーマは「孫の教育」という意外なものだった。
年金3か月分を使ってNIKONをプレゼントする爺様のくだりでは、《年金3か月》が僕には妙に現実感があって苦笑いした。
爺様のミッションは、すべての人たちから抑圧を取り去ること、と宣う・・・僕もそうありたいものだと考え込んだ。

孫役のザック・エフロンが絶妙の雰囲気を出してくれた。
イケメン、マッチョだが自立心のないつまらない男の変身、おいしい役だったのかもしれない。
ザックは、あの「火星の人(またはオデッセイ)」主役にぴったりだと今でも信じている、今作で改めて確信した次第だ。

デ・ニーロとザックの絡みに出会うだけでも貴重である、
新年早々いいシネマを見させていただいた。
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