怪談 (2007)

文字数 658文字

【三題噺】 2008/3/3



勝手に命名した副題が:
「松竹が総力を結集してプロモーションする、歌舞伎マーケティングキャンペーン第二弾」
次の歌舞伎を担う人材の危なっかしいことは僕の偏見かもしれないが、
若手たちの奔放さには、いまさらながら辟易しているこの頃である。
そこには、閉ざされた伝統芸能としての歌舞伎界にまた戻ってしまうような時代錯誤危機感が伴う。
一方でこの金のなる樹を大きく育てビジネス基盤にしようとしている松竹。
具体的戦術は「若手御三家を今一度」なのか?

第一弾「出口のない海」は、いささか拙攻の謗りを免れない完成度だったが、今回は伝統的素材を現代風にアレンジした効果として、菊之助さんが見事に浮きがって大成功。
本人に、「何で自分は美しすぎるのか?」とか「顔なんかついてりゃいいもんなのに・・」
と言わせたりの大サービスで若き歌舞伎界のプリンスを盛り上げている。
彼ののっぺりとした役者顔ひとつが、共演の女優さんたちの存在領域を超え異次元に漂う。
歌舞伎の閉鎖性を逆手に取ったアピールパワーが垣間見えて面白かった。

怪談話現代風アレンジ・・・と前述したが、平たく言えば監督お得意のホラー。
僕も古典的怪談を期待してたわけではないが、近年のCGテクニックはやはり怖かったね。
ナビゲーター代わりの講談講釈と歌舞伎界の名門若手役者とショッキングホラ-。
この三題噺をとくのは実は観客の任務。
僕は冒頭のとおり、
「松竹が総力を結集してプロモーションする、歌舞伎マーケティングキャンペーン第二弾」
と解釈した。

でも、梨園ってよくわからない。
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