ブロークン・フラワーズ  (2005)

文字数 636文字

【可笑しきて、哀しき】 2009/4/2



渋谷の雑踏のなかに、センチメンタル・ジャーニーを表現してくれたビル・マーレイ。
「ロスト・イン・トランスレーション」では意外とシリアスなところに感激した。
そこで、今度はどうよ?って思って、拝見させて頂きました。
シネマ自体は優秀なコメディでかつ、アイロニー溢れた仕上がりになっている。
この二つのエッセンスが大好きな僕は当然シネマを楽しめた。

主人公が自己紹介の際「ドン・ジョンストンです、ジョンソンではなくTの入るジョンストン」と繰り返し自虐に陥るところだけでも、お腹一杯になりそうだった。
成功した事業家だが独身のドンが、昔のガールフレンドを訪問するというロード・ムービーもどきのストーリ-だが、訪問の理由が可笑しい。
突然「あなたには19歳の息子がいます、近々会いに行くでしょう・・・」なんていう手紙が届くのだが、彼には相手が特定できない。

実は身に覚えのある女性が5名(1名は死亡してた)もいたっていうからこれまた可笑しい。
ドンはドンでもドンファンのドンだったてか。
4名の女性を訪問する四つのストーリーは、しかし、上質のオムニバスシネマを観るがごとく、人生のいろいろが込められている。家族の絆には執着しないと強がるドンだが、最後には息子の幻に振り回されるのも人生のコメディとアイロニーだった。
4名の元カノには個性派美女がずらり揃えられていて、眺めるてるだけでも得した気分になる。

ビル・マーレイはそれにしても可笑しい、哀しいほどに可笑しい。
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