陰日向に咲く (2008)

文字数 492文字

【大いなる習作】 2008/7/24



エンディングにいたるカタルシスはシネマを観る醍醐味のひとつ。
エンディングのテーマはシネマ其々に工夫されているものだ。
本シネマのエンディングテーマは「心の真情を吐露すること」と見受けた。
普通の、そして現実の生活人は「真情の吐露」などめったにしない、実際できない。
シネマならではの熱い想いの真情応酬はそれはそれでシネマらしい。

シノプシスはほぼ人間関係の陰日向、もっとも陰ばかりが目立っていたが。
この陰濃い人間関係ありきのストーリーは、いくらシネマ賛美者とて我慢の限界を超える。
作為的且つ稚拙だった。
フィクションは現実感を肌にまとってフィクションに成り得る。
本シネマの人物像とその相関図は過度にテクニカルな趣が強すぎた。
加えて、予想外狙いのキャスティングも奏功しなかった。

シネマは総合芸術の極致。
危ういテクニックや浮世の人気頼みでは破綻の憂き目に会うのも必至の真実。
これだけのキャスティングが実現できているのに、ホンが追いつかなかった。
同じ絵を何度も見せられる・・・おかしなシネマに仕上がってしまった。

大いなる習作と申し上げると、やはり失礼なのだろうか?
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