エクソシスト2 (1977)

文字数 654文字

【オカルト本質に迫る】 1977/8/19




ヒット作続編に当たりなしと言われるが、そこには製作者と鑑賞者双方の想いのすれ違いがあると考えている。
製作者としては、ヒットした前作人気に頼る守りの姿勢と、前作以上の向上を目指す攻めの姿勢がある。
一方、鑑賞者としても前作の面白さを再体験したいグループもいれば、前作プラスアルファを期待する向きもいるはずだ。
製作・鑑賞双方に余計な体験・知識があるだけにミッションが齟齬する恐れが多い、 続編(パート2)つくりは厄介なものなのである。
例えば名作「ゴッドファーザー パートⅡ (1974)」にしても前作に比較してシリアスがアクションを勝っていたため評価が分かれたくらいだ。

さて 本作はというと、前作がショッキング・グロシーン多数で名をはせたわけだが、二番煎じを避けてオカルト本質に迫っている。
タイトル通り、科学でも解明できないエクソシズムを浮かび上がらせ、超能力を有した主人公神父を人類の正義の代表として描く。理解不可能なシーンも、だから気にならないし本作こそエクソシスト真の戦いであって、前作はプロローグに過ぎなかった。
リチャード・バートン、ルイズ・フレッチャーの重厚な演技、リンダ・ブレアの素顔も本作の見どころになり、シネマを高みに運んでいた。

つまるところ、ハリウッドは恐怖・グロの無意味なことを承知しており、前作の大ヒットに驕ることなく続編で軌道修正し成功した。
前作の恐怖・グロを期待したファンにはお気の毒だったが、僕は本作に十分満足した。
(記:1977年8月19日)
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