#マンホール  (2023)

文字数 647文字

【心地よい疲労感が残った】 2023/1/16


熊切和嘉さん直近監督作、「ディアスポリス(2016)」、「武曲(2017)」の表現しずらいシネマ新生紀の息吹が忘れられないでいたところ、本作予告編に出逢い少したじろいだ。

マンホールに落ちた華麗なる男の脱出劇だという、その展開がどうやらSNSベース、なにより気にかかったのがほぼ独り舞台になるであろう主役にアイドルを抜擢したこと、不安で仕方がなかった。
若手俳優枯渇の折からアイドル系からの鞍替えも今や珍しくはないのだが、監督の力量が問われることになる。
シネコンに足を運ぶか正直迷ったものの、やはりお気に入り監督の最新シネマは観るべきという原理にしたがった。

シネマ開始前に厳重なお願いがクレジットされる・・・
「ネタバレを決してSNSで拡散しないでください」。
まずは観てからそこのところは決めようと思った。

今作では熊切さんは脚本に携わっていない、原案・脚本は岡田道尚さん、シネマらしい、シネマでしかできないアイデアと物語になっていた。
なるほど、本シネマは「脚本(原案)勝ち」、ネタバレをするつもりはないが、ミステリー小説で言えば叙述的トリックに騙される・・・というか 騙されるしかないのがこの手の仕組みだから仕方がない、僕もその罠にまんまと嵌ってしまった。
とどめが主演の中島裕翔さん、美形のアイドルを使用したのには、理由があったわけだ。

観終わってみれば、脚本に振り回されっぱなし、でも久しぶりのでっかいカタルシスに心地よい疲労を覚えた。
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