カリフォルニア・ダウン (2015)

文字数 815文字

【3.11 以後・・・】 2015/9/15



1974年の「大地震」もそうでしたが、地震パニックシネマは興行成績がよろしいようです、そして本作も儲かってるとのこと、ご同慶の至りです。
ひとは、どんな理由から地震災害フィクションを見たがるのでしょうか?
一方で製作側は何をその大儀とするのでしょうか?
怖いもの見たさと、虚構にまみれてはいても主人公生還のカタルシスを希望するのでしょう、その底には「自分だけは大丈夫,死にはしない」の想いがあります。
つまるところ、シネマは、常に庶民の心に寄り添うものですから。

そのコンセプトは本作品にも脈々と受け継がれています。
少しやり過ぎの懸念もありますが、これはこれでエンターテイメントに徹底した潔さもあるのです。
主人公は:
テロ戦争の救難任務から帰還し、LA消防隊の救難チームのリーダーだし、
プロである故のトラウマに悩み、お約束の離婚寸前の家庭を抱えているし、
災害に際して妻と娘を救出するためには、職務を無視して手段を選ばないゴーイングマイウェイだし、
その娘も父譲りのDNAで危機を乗り越えていくし、
なんといっても、この家族は運が強すぎる、機転が利きすぎる、カッコよすぎます。

ところが、
観どころと喧伝されている「地震、津波」シーンは、スタッフの努力にもかかわらず、最新SFXにもかかわらず新鮮味に欠けていました。
おそらくは、地震・津波SFXは僕はどこかで今までに、すでに経験しているからなのでしょう。
(微妙な部分に触れていきますが) それに僕らは、4年前SFX以上の恐怖を目のあたりにしてきました。
つい数日前にも、川の氾濫恐怖をライブで見てしまいました、なにもできない歯がゆさに手を拱きながらでした。

前述の「大地震(1974年)」、「ヒアアフター(2010年)」で身がすくんだ疑似験はもはや再現しません、2011年3月11日以後は・・・。

悲しみが大きすぎます。

地震予知と減災対策を望む思いを強くしました。

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