夜に生きる (2016) 

文字数 671文字

【ボストン魂に満ち溢れる】 2017/5/22



主演、脚本・監督そして製作にもかかわったベン・アフレックのワンマンシネマ、
彼の想いがしっかりと伝わってきた。
原作はボストンを愛し描いてやまない
デニス・ルヘインの「運命の日」からスピンオフした「夜に生きる」、
そのルヘインも製作にかかわっている。

ルヘインがスタッフに加わっているのは、
おそらくベンが大幅に原作に手を入れた脚本への保険のように思われた。
そのくらいルヘインのウエットなタッチは消し去られ、
ドライなギャング抗争に徹した暴力アクションになっていた。
あえて二時間超の密度の濃いクライムシネマになっていたのは、
繰り返しになるがベン・アフレックの強い気持ちがあったからこそなのだろう。

ボストンでのチンピラ修行から、
裏切りによる投獄、
復讐のためにマフィアに加わりタンパでの鉄砲玉、
さらなる裏切りで最後の決着に挑む主人公。

このギャング抗争の合間に挿入される父子の愛情、
二つの愛のエピソード、
聖女(エル・ファニング)騒動など、
かなりの盛りだくさんだが、
期待していたキューバのシークエンスは残念ながら見ることはできなかった、仕方ないか。

残酷なギャング抗争、つまりは暴力表現に重点を置いたため
ストーリー展開のあちこちに穴崩れが生じ、
観る者には唐突な想いをさせただろう。
ただ、第一次世界大戦でのトラウマから、命令には従うことなく我が道を行く
…主人公ジョー・コグリンの生き方は貫かれていた。

できることなら、
本作の源流であるボストン市警警察官一家の「運命の日」もシネマにしてくれないものかな、
ベン・アフレックさん?

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