キングダム・オブ・ヘブン (2005)

文字数 730文字

【シネマから学び始めるのも一興】 2005/5/15



この一年間、西洋チャンバラ予想外の隆盛とはいえ、
食傷気味の皆様にも、本シネマはきっと満足していただける仕上がりだと思いますよ。
またオーランド・ブルーム(オーリーってのはいまいち抵抗あるけど、まっいいか)ファンの皆様にも、初主演にてベストとして、喜んでいただけるものでしょう。
確かに最近
《ロ-ドオブザリング王の帰還》、《キングアーサー》、《トロイ》、《アレキサンダー大王》など、あまたの西洋チャンバラはそれぞれ力作だったけど、
中身が同じテイストといわれても、ほぼ仕方がなかったよね。
もともと、本作品監督でもあるリドリー・スコットの《グラディエイター》のヒットが
このブーム源流だろうし、あの我らが《ラストサムライ》もこのトレンドに
含まれるんだろうけど、
下世話に言えば、「高級柳下鰌」だったよね。
その意味では本シネマは元祖、宗家、家元なんだろう。

決定的に異なるのは、リドリースコットが近年エンターテイメントのふりをして、
辛辣なメーッセージを発信し始めているなかで、
今回はかなりの程度、それに成功していることだ。
本作のテーマがちょっとちょっとイージーすぎるのは、エンターテイメントだから許すとして
《ブラックホークダウン》での戦闘の不条理よりかは、
今回の個人の信条と宗教に対するご意見はわかりやすかった。

バリアンが問う:
「エルサレムの価値は?」
サラディンが答える:
「NOTHING BUT EVERYTHING」
この会話が全てを物語っていると思うけど。

特別な予備知識がなくても大丈夫だし、シネマから学び始めるのも一興かとも思っている。
少なくとも西洋チャンバラの抹香臭さは、
現代的にさわやかに変換されている、
ご安心あれ。
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