MINAMATA―ミナマタ― (2020)

文字数 645文字

【公害に興味がなくても、ジョニーを見て】 2021/9/27



水銀に関する国際条約の名前にもなっているMINAMATA、
公害の元祖というありがたくない記号になってしまったMINAMATAがタイトルになっているが、僕は本シネマに魂を植え付けたジョ-ニー・デップに眼をみはった。

地球規模のハリウッドスターでありながら、何かとスキャンダルばかりが取りざたされてきたジョニー会心の作品だった、それも周りに日本人俳優をずらりと配して。
水俣病とユージンスミスを描く以上日本シークエンスが多くを占める、当然に。

物語り冒頭、燃え尽きた写真家が水俣に赴くきっかけである、富士フィルムCMから始まり1974年の勝訴シーンまで駆け足であるが、常に画面にジョニー(スミス)がいた、彼の内なるつぶやきが聞こえてくるようだった・・・
「このフィルムは俺の物、他人に任せるわけにはいかない」。

水俣病補償に関しては、いまだに決着がついていない。
1942年頃からの公害と推定すればもう80年被害者、後継者が苦しめられていることになる。
そして、水銀に代表される大規模公害はいまだに世界各地で根絶されないまま被害者を苦しめている、放射能、PM2.5、廃棄プラスチック・・・。
しかしながら、本シネマの意義は公害を憂うことだけではなかった。
ジョ-ニー・デップ以外の日本人俳優、南、真田博之、加瀬亮、國村隼、浅野忠信を眺めるだけでも、なんだか嬉しくなってくる。
日本が犯した大きな罪、水俣病公害が滞りなく全面解決する日が近いことを祈りつつ。
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