永い言い訳 (2016)

文字数 511文字

【女房ロスの対策教えます】 2016/10/14



今日観たシネマは偶然にも2作品ともに主役が小説家だった。
《ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ》は実在のトーマス・ウルフをジュード・ロウが演じ、本シネマ 《永い言い訳》は西川美和さんのオリジナル作、架空の小説家を本木雅弘さんが熱演していた。
フィクションの小説家は男一般に普遍化されており、観ている僕にとっても共感するところが多かった。

このシネマでは、主役の小説家とともにトラックドライバーも、男の類型として女房ロスにさらされる。
パトロンとしての妻の存在が今の自分(小説家)を形成していると考える屈折の女房ロス。
一方、小さい子供二人のことすら気配りできない妻べったりだった単純な自分(ドライバー)を変えることのできない女房ロス。
世間は、小説家を偽善者といい、トラックドライバーをストレートだと評価する。

この二人の男の不器用さと、間に入って懸命に母親ロスを克服しようとする子供たちの愛おしさが全編を貫く。
男たちは、情けないことに、働くことで(そこで失敗することで)しか女房ロスを乗り越えられない。

その観点からすると、死んだ者の損…ということになる。
結局世の中はそんなものだろう。
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